
ねえ、ヒロ。最近「自分って何者なんだろう」ってぼんやり考えたりしない?

え、急になに?哲学!?姉ちゃんどうした(笑)

今回紹介する漫画がね、まさにそういう話で……

マジで?気になる!どんな作品?

性別「モナリザ」の君へ。っていう漫画なんだけど…ちゃんと記事で紹介するから、まず読んで!
「自分って何者なんだろう」「どうして私はみんなと違うんだろう」——そんな気持ちを、心のどこかで感じたことはありませんか?
誰かと比べて「普通じゃない」と感じたとき、孤独で、怖くて、どこにも居場所がないような気がしてしまうことがありますよね。
この記事では、そんな気持ちにそっと寄り添ってくれる漫画「性別『モナリザ』の君へ。」を丁寧に紹介します。
作者・吉村旋さんがスクウェア・エニックスの「ガンガンONLINE」で連載し、累計発行部数100万部突破・全10巻完結という実績を持つ話題作。読み終えたあとに心がじんわりとあたたかくなる、そんな一冊です。
この記事を読むと、こんなことがわかります。
- 「性別『モナリザ』の君へ。」ってどんな物語?(ネタバレなし)
- 主人公・ひなせをはじめとした登場人物の魅力
- この作品が伝えようとしているテーマや世界観
- どんな気持ちのときに読むとグッとくるのか
- 単行本の情報と受賞歴など基本データ
「性別『モナリザ』の君へ。」 作品データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | 性別「モナリザ」の君へ。 |
| 作者 | 吉村旋(よしむら つむじ) |
| 掲載誌 | ガンガンONLINE(スクウェア・エニックス) |
| 連載期間 | 2018年5月〜2021年12月 |
| 話数 | 全140話(完結) |
| 単行本 | 全10巻(ガンガンコミックスONLINE) |
| ジャンル | 恋愛漫画・少年漫画 |
| 受賞歴 | 次にくるマンガ大賞2020 Webマンガ部門20位 |
| 累計発行部数 | 100万部突破(2022年12月時点) |
「性別『モナリザ』の君へ。」 感情評価表
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| エモ度(感情ゆさぶり度) | ★★★★★ | 読み進めるうちに、じわじわと胸の奥に届いてくる |
| 登場人物への共感度 | ★★★★★ | 「自分だけ違う」という感覚、誰もが一度は覚えがある |
| 物語への引き込まれ度 | ★★★★☆ | じっくり丁寧に進む展開。ゆっくり味わいたい人向け |
| 読んだあとの癒し・浄化度 | ★★★★★ | 読後にふっと心が軽くなる不思議な余韻がある |
| 心に残るセリフ・シーン度 | ★★★★★ | 何気ない言葉がずっと頭に残り続ける |
それでは、この物語がどんなお話なのか、ネタバレなしで紹介していきますね。
この作品の舞台は、私たちが生きているのとはちょっとだけ違う世界です。その世界では、人は12歳を迎えるころから自分がなりたい性へと体が少しずつ変わっていき、14歳になるころには男性か女性として生きていくようになります。
でも——主人公のひなせだけは、高校3年生になった18歳の春を迎えた今も、性別がないままでいます。
「なぜ自分だけ?」「自分はこれからどうなるの?」そんな答えのない問いを抱えながら、ひなせはある日、男性になった幼なじみのしおりと、女性になった幼なじみのりつ、ふたりから同じ時期に告白を受けます。
恋愛感情がよくわからないひなせと、それぞれの想いを抱えたしおり・りつ。3人の関係は、静かに、でも確実に動き始めます。
「自分らしさ」ってなんだろう? 「好き」ってなんだろう? そういう大切なことを、この物語はやわらかくそっと問いかけてきます。
こんな気持ちのときに、ぜひ手に取ってほしい作品です。
- なんとなく、自分がみんなと違うと感じているとき
- 恋愛や感情のことがうまくわからなくて、もやもやしているとき
- 誰かにそっと寄り添ってほしいとき
- 自分という存在について、ゆっくり考えたいとき
性別「モナリザ」の君へ。が描くユニークな世界観とは
性別「モナリザ」の君へ。という作品の一番の特徴は、なんといってもその世界の設定です。この章では、物語の舞台となる世界のしくみと、主人公ひなせが直面する状況について、もう少し詳しく見ていきましょう。
人が「なりたい性別を選べる」世界のしくみ
この作品の舞台は、私たちが生きる世界とほんの少しだけ違います。その世界では、生まれたときには性別が決まっていません。12歳を迎えるころから自分がなりたい性へと体が変わっていき、14歳になるころには男性か女性として生きていくことになります。
つまり、「性別は自分で選ぶもの」という世界なんです。
ふつうの漫画では考えられないような設定ですよね。でも、この設定がこの物語の核心です。ほとんどの人が当たり前のように性別を選んで生きているこの世界で、主人公のひなせだけが18歳になっても性別のないまま——そこに、物語のすべての問いが生まれてきます。
性別があるということは、「男らしく」「女らしく」ということが当然のように求められる世界でもあります。しおりのお父さんが「男だから」という理由で美大への進学を反対する場面など、世界のルールが人の夢を縛ってしまうことも描かれていて、胸がちくっとします。
「準モナリザ症候群」という名前に込められた意味
物語のなかで、ひなせには「準モナリザ症候群」という仮の病名がつけられます。これは作中だけに存在する架空の病名です。
そもそも「モナリザ」とは、ダ・ヴィンチが描いた世界で最も有名な絵画のひとつ。微笑んでいるのか悲しんでいるのか、男性なのか女性なのか、見る人によって印象が変わる——そんな絵です。
ひなせは、男でも女でもない。どちらとも言い切れない、モナリザのようなあいまいな存在。そのタイトルの意味に気づいたとき、「なんて上手い名前をつけたんだろう」と思わず感心してしまいます。
作者の吉村旋さんは、第1巻のあとがきで「制作の途中で現実の『モナリザ症候群』(交感神経の不調による病名)が実在することを知り、混同を避けるために『準』をつけた」と説明しています。細かいところにまで丁寧に向き合っている、そんな作者さんの姿勢が伝わってきます。
20歳までに性別が決まるという、物語に潜む緊張感
この世界には、もうひとつ重要なルールがあります。
無性別のまま20歳を超えた人間は、いないとされているんです。性分化が起こるか、そうでなければ亡くなってしまうか——いずれかしかないと、作中では語られます。なぜそうなるのかは医学的にも解明されておらず、謎のままです。
18歳のひなせには、残り2年もありません。
のんびりした青春物語に見えて、その背景にはじわじわと迫ってくる時間のプレッシャーがあります。これが物語全体に、ゆるやかな緊張感を生み出しているんですよね。
でも不思議なことに、物語のトーンは暗くなりすぎない。ひなせはそんな状況のなかでも、自分なりの答えを探しながら毎日を生きています。その姿が、読む人の心を静かに励ましてくれます。
登場人物の名字がすべて温泉地名というこだわり
作品のちょっとした豆知識もひとつ。
登場人物の名字は、すべて温泉で有名な地名からとられています。主人公の「有馬(ありま)」は兵庫の有馬温泉、「高山(たかやま)」は岐阜の高山温泉、「加賀(かが)」は石川の加賀温泉、「別府(べっぷ)」は大分の別府温泉……など。
これは第2巻のあとがきで作者さん自身が明かしているこだわりです。物語のテーマとはまた別のところで、こういった遊び心を仕込んでいる作品ってなんだか好きになっちゃいます。
名前を知ったあとに読み返すと、また新鮮な発見がありそうですよね。
性別「モナリザ」の君へ。の登場人物と見どころ
性別「モナリザ」の君へ。の魅力は、世界観だけではありません。この物語を丁寧に紡いでいるのは、主人公ひなせをとりまく個性豊かな人たちです。それぞれのキャラクターの魅力と、物語の見どころを紹介していきます。
主人公・有馬ひなせ——「普通」じゃなくていい、と気づかせてくれる存在

ひなせは18歳の高校3年生。男子と同じ型の制服を着て、体育は男子の授業と女子の授業を学期ごとに交互に受けています。恋愛感情や性的な関心もほとんどなく、友達以上の好意を誰かに持つことがうまくできない——そんな人物として描かれています。
でもひなせは、暗くない。悲劇的でもない。ただ、自分の状況をまっすぐに受け止めながら、毎日を一生懸命に生きています。
読んでいて「この子、すごいな」と思うのは、あいまいな自分のままで誰かと向き合おうとするところ。答えが出ないまま、それでも進もうとする姿に、じんわりと胸を打たれます。
「普通」から外れることへの怖さや、でもそれでいいんだという小さな確信——そういうものをひなせはちゃんと体で教えてくれます。
幼なじみのしおりとりつ——それぞれの「好き」の形

高山しおり

ひなせの幼なじみである高山しおりと加賀りつは、ほぼ同じタイミングでひなせに告白をします。
しおりは美大を目指す短髪の少年で、ひなせに絵のモデルをお願いしているほど、ひなせのことを大切に見つめています。でも彼は「俺がお前を女にする」という言葉を使ってしまうなど、性別へのこだわりが強い面もあって、そこが物語のなかで揺らいでいく過程がとても丁寧に描かれています。
りつは反対に、「私が好きになったのはひなせ自身だから、もしずっと今のままでも」という言葉を早い段階でひなせに伝えます。性別に関係なく、ひなせそのものを好きだという気持ちが、まっすぐで胸にきます。
ふたりの想いの形の違いが、物語に深みを与えてくれているんですよね。
謎めいた医師・高山あずさの存在感
しおりの兄で、ひなせの主治医でもある高山あずさ。細い縁の眼鏡をかけた青年で、「近所でも有名な秀才」「気さくで話しやすい、非の打ちどころがない人」とひなせが評する、一見完璧な人物です。
でもこの人、少しだけ怖い。
弟のしおりがひなせの検査データを見られるように仕組んでいたり、ひなせにとって不都合な情報をあえて黙っていたり——善良そうな顔の裏で、何かを考えているような描写があります。
ちなみに蝶が好きで、診察室に蝶の飼育ケースを置いて女性職員から不評を買っているという場面も(笑)。キャラとして妙に人間味があって、印象に残ります。
最終巻の構成——主人公が選んだ「道」の先に
この作品のもうひとつの大きな見どころが、最終巻(第9巻・第10巻)の構成です。
2022年12月12日に同時発売されたこのふたつの巻は、それぞれ「√X」と「√Y」という異なる結末を描いています。数学の記号のように、物語が2つの分岐へと進んでいく構成です。
9巻の「√X」では「女」となって迎える初めての春を、10巻の「√Y」では「男」となって迎える初めての春を描いており、それぞれにサイドストーリーも収録されています。
最終巻のメッセージには、こんな言葉が添えられています。
「これは君が選んだ道の先に広がる数多の可能性のうちのわずかひとつかみを綴った物語。君の選んだ道の全ての行く先に幸多からんことを。」
「すべての性別『モナリザ』の君へ捧ぐ。」
この言葉だけで、もう泣けてしまいそうじゃないですか。ひなせの物語は、ひなせだけの物語じゃない。この本を手に取るあなたへの物語でもあるんだ、と伝えてくれているようで。
単行本情報まとめ——どこで読めるの?
「性別『モナリザ』の君へ。」は全10巻で完結しています。単行本は各巻730円〜800円(税別)で購入可能です。
電子書籍でも読むことができて、主要な電子書籍サービス(各種プラットフォーム)で配信中です。スクウェア・エニックスの公式アプリ「マンガUP!」でも読むことができます。
また、ガンガンONLINEの公式サイトでは第1話から数話を無料で試し読みすることも可能です。まずそこから読み始めて、世界観にじっくり浸ってみてください。
| 巻 | 発売日 | 備考 |
|---|---|---|
| 1巻 | 2018年9月21日 | |
| 2巻 | 2019年2月22日 | |
| 3巻 | 2019年8月9日 | |
| 4巻 | 2020年2月12日 | |
| 5巻 | 2020年8月11日 | 特装版(小冊子付き)あり |
| 6巻 | 2021年3月12日 | |
| 7巻 | 2021年10月12日 | |
| 8巻 | 2022年4月12日 | |
| 9巻 | 2022年12月12日 | √X(女として迎える春)収録 |
| 10巻(完) | 2022年12月12日 | √Y(男として迎える春)収録 |
まとめ:性別「モナリザ」の君へ。が伝えてくれること

ヒロ、どうだった?

……なんか「自分って何者だろう」ってあんまり考えたことなかったけど、ひなせみたいに答えが出なくてもいいのかもって、ちょっと思った。

答えを出すことより、自分を大切に考えようとすること自体が大事なんだよって、この漫画は言ってくれてる気がするよね。

姉ちゃんって…そういうとこ強いよな、実は。

えっ、急に褒めないでよ、照れる(笑)。でもね、この作品はほんとに、読んでよかったって思える1冊です。みんなにも届いてほしいな。
「性別『モナリザ』の君へ。」の記事の要点をまとめます。
- 「なりたい性別を選べる世界」で、唯一性別がないまま18歳を迎えた主人公・ひなせの物語
- 作者は吉村旋さん、スクウェア・エニックスのガンガンONLINEにて2018年〜2021年連載・全10巻完結
- 累計発行部数100万部突破・次にくるマンガ大賞2020受賞の実力作
- ふたりの幼なじみ(しおり・りつ)からの告白をきっかけに、3人の関係が静かに動き出す
- 最終巻は「√X(女の春)」と「√Y(男の春)」のふたつの結末が同時発売という独自の構成
- 「自分とは何か」「性別とは何か」を優しく問いかけてくれる、読後に心があたたかくなる作品
- 自分がみんなと違うと感じているとき、孤独なとき、誰かに寄り添ってほしいときに特に刺さる一冊
引用・参考




