こんにちは、トラねえです🐱 今日は心がほんわり温まる作品をご紹介しますね。もしあなたが「好きなことを話せる友達がいない」「年齢差で理解されない」と感じたことがあるなら、この物語がきっと寄り添ってくれますよ。
だって実際に文化庁メディア芸術祭で新人賞を受賞した実績があるんですから。この記事では、世代を超えた交流の魅力と、自分らしさを見つけるヒントをお届けします。

姉ちゃん、BL漫画がテーマって聞いたけど、ぼくみたいな男子でも楽しめる?

大丈夫よ。BLはあくまできっかけで、本当のテーマは人間関係の温かさだから
記事のポイント
- 75歳と17歳の意外な共通点から始まる交流
- 趣味を通じた心の通い合いが描かれる
- 自分を表現することの大切さに気づく物語
- 漫画制作への挑戦が成長を促す過程
- 世代を超えた友情の可能性を実感できる
作品評価
評価項目 | 評価 |
---|---|
エモ度(感情ゆさぶり度) | ★★★★☆ |
キャラ共感度 | ★★★★★ |
没入感(引き込まれ度) | ★★★★☆ |
癒し・浄化度 | ★★★★★ |
心に残るセリフ/シーン度 | ★★★★☆ |
目次
『メタモルフォーゼの縁側』あらすじを解説
この作品の物語は、ほんの少しの勇気から始まる、とても温かい交流を描いているの。まずは、その素敵な物語の始まりを、ネタバレなしでご紹介するね。
書道教室を営む75歳の女性、市野井雪(いちのいゆき)さんは、旦那さんに先立たれてから2年、静かに一人で暮らしていました。ある日、ふと立ち寄った本屋さんで、雪さんが手に取ったのは、表紙の絵柄に心惹かれた1冊の漫画。それが、男子高校生2人が主人公のボーイズラブ、いわゆる「BL」作品だったのです。
雪さんは、生まれて初めて触れたBLの世界に、あっという間に夢中になります。そして、その漫画との出会いが、彼女の日常に大きな変化をもたらします。
その本屋さんでアルバイトをしている高校生の佐山うららさん。彼女も実は、学校では誰にも話せないほどBL漫画が大好きでした。しかし、共通の趣味を持つ友人がおらず、自分の好きなものを隠していました。
そんな2人が、1冊の漫画をきっかけに出会います。年齢はなんと58歳も離れているけれど、同じ「好き」を共有していることで、言葉を交わすようになります。漫画の話で意気投合し、同人誌の即売会にも一緒に出かけるようになるなど、2人の心の距離は少しずつ縮まっていくのです。
この作品は、誰かと好きなものを共有する喜びや、世代を超えた友情の温かさを丁寧に描いています。新しいことに挑戦することに戸惑いがある時、誰にも言えない秘密の趣味がある時、そして、何となく心にぽっかり穴が空いてしまったような気持ちの時に触れてほしい作品です。2人の交流を通して、きっとあなたの心も温かく満たされることでしょう。
登場人物が魅力的!雪とうららの関係性
『メタモルフォーゼの縁側』の物語を彩る、魅力的な登場人物たち。特に主人公の雪さんとうららさんの関係性は、この作品の大きな魅力の一つなの。
雪さん:新しい世界に飛び込む75歳
雪さんは、夫に先立たれてからは、毎日を静かに過ごしている75歳の女性です。自宅では書道教室を開いていて、達筆な字を書く姿が印象的です。彼女のすごいところは、新しいものへの好奇心がとても旺盛なところ。書店で偶然手にしたBL漫画に抵抗なく入り込んでいく積極性は、本当に見習いたいですよね。
彼女が漫画を読んで、心の中で感じる「もう残りの人生で、続きが読めるのかしら…」という切実な思いは、人生の残り時間を意識し始める世代の方には、深く共感できる部分かもしれません。それでも、自分の「好き」を大切にして、新しい世界に一歩踏み出していく姿は、本当に素敵です。
うららさん:内に秘めた情熱を持つ17歳
うららさんは、本屋さんで働く17歳の女子高生です。彼女もまた、BL漫画が大好き。でも、学校には同じ趣味を持つ友だちがいなくて、自分の好きな気持ちを誰にも打ち明けられずにいました。
好きなものを誰かと分かち合いたいけれど、なかなか勇気が出ない…そんなうららさんの気持ちは、多くの人が共感できるのではないでしょうか。誰かに自分の「好き」を話すときの、ちょっとした緊張感や、話が通じたときの嬉しさ。そういった繊細な感情が、とても丁寧に描かれているんです。
世代を超えた心の交流
雪さんと、うららさん。年齢は58歳も離れていて、生きてきた時代も全く違う2人。でも、「BLが好き」というたった1つの共通点で、2人の心は繋がっていきます。
うららさんが、誰にも話せなかった好きなものを、雪さんに打ち明ける。雪さんは、そんなうららさんの「好き」な気持ちを、真正面から受け止めてくれる。この交流を通して、2人はお互いの存在がかけがえのないものになっていくんです。それは、まるで縁側でゆっくりと語り合うような、穏やかで優しい時間。相手を思いやり、そっと寄り添う2人の姿は、見ているだけで心が温かくなります。
メタモルフォーゼの縁側が伝える「好き」の力

この物語の根底には、「好き」という気持ちが持つ、ものすごい力があるの。
誰かと繋がるきっかけになる「好き」
好きなものって、人を一人ぼっちにしないんだなって、この作品を読んでいて感じました。うららさんが、誰にも話せなかったBLへの思いを、雪さんに初めて打ち明けたときのこと。その瞬間のうららさんの表情は、本当に清々しくて、見ているこっちまで嬉しくなりました。
好きなものを誰かと共有できるって、なんて幸せなことなんだろうって改めて考えさせられるよね。それは、血のつながりや、年齢なんか関係ない、純粋な心の繋がりなんだなって。
新しい自分を見つける「メタモルフォーゼ」
この物語のタイトルにもなっている「メタモルフォーゼ」は、「変身」や「変態」を意味する言葉です。雪さんもうららさんも、この出会いをきっかけに少しずつ変わっていきます。
雪さんは、BLという新しい世界を知り、うららさんとの交流を通じて、また新たな楽しみを見つけていきます。一方、うららさんは、雪さんとの出会いをきっかけに、自分の好きな気持ちを隠すだけでなく、もっと表に出していこうと少しずつ前向きになっていくんです。
好きなものを好きって言えることの大切さ、やりたいことを後回しにしないこと。そんな、2人の「メタモルフォーゼ」が、優しく描かれている物語です。
メディア展開もされている『メタモルフォーゼの縁側』
『メタモルフォーゼの縁側』は、漫画だけでなく、実写映画やドラマなど、さまざまなメディアで展開されているの。

実写映画化された「メタモルフォーゼの縁側」
この作品は、2022年6月17日に実写映画化されました。監督は狩山俊輔さん、脚本は岡田惠和さん、主演は芦田愛菜さんと宮本信子さんという、豪華な布陣で制作されています。
劇中に登場するBL漫画『君のことだけ見ていたい』の作画は、実際のBL漫画家さんが担当していて、原作の世界観を大切にしているのが伝わってきます。映画版では、うらら役の芦田愛菜さんの成長が描かれているという感想もあるみたい。
劇中漫画がスピンオフドラマに!
さらに、劇中漫画である『君のことだけ見ていたい』が、Huluで実写ドラマとして配信されているの。お笑いタレントの水川かたまりさんが脚本を手掛けていて、淡く儚い男子高校生2人の恋愛物語が全4話で楽しめます。
漫画の中の漫画が、実際にドラマになるなんて、なんだか不思議で面白いよね!物語の世界がどんどん広がっていくみたいで、ファンとしては嬉しい限りです。
「メタモルフォーゼの縁側」の受賞歴と評価
この作品は、その温かい物語が多くの人々の心を掴み、たくさんの賞を受賞しているの。
受賞歴
- ブロスコミックアワード2018:大賞
- このマンガがすごい!2019:オンナ編1位
- 第22回文化庁メディア芸術祭マンガ部門:新人賞
など、様々な賞を獲得していて、その質の高さが評価されています。
読者の声
この作品を読んだ人たちからは、たくさんの温かい感想が寄せられているわ。
「好きなものが同じっていうだけで繋がる関係って、本当にありがたいよね」「いくつになっても夢中になれるものがあるって素晴らしいと思わせてくれる作品!」「ただほっこりするだけじゃなくて、日常の続きのような感じがしてすごく良かった」「世代を超えて友情を育む姿が、ピュアで眩しい」といった、感動や共感の声が多数ありました。
この作品は、派手な展開はないけれど、登場人物たちの心の機微が丁寧に描かれていて、読む人の心を優しく包み込んでくれるような物語だよ。
『メタモルフォーゼの縁側』あらすじ:まとめ
- 共通の趣味は世代の差を簡単に飛び越える力がある
- 「好き」という気持ちを共有できる関係は人生を豊かにする
- 新しい挑戦は何歳から始めても遅くない
- 小さな一歩が自分を変えるきっかけになる
- 縁側のような安心できる場所が本音を話せる環境を作る

姉ちゃん、この漫画読んだらなんか勇気わいてきた!俺も新しいこと始めてみようかな

そうね、私も書道教室の新しいコースを考えてみようかしら。年齢なんて関係ないものね」
最後に、この作品の真の魅力は「変わりたい」という誰もが持つ願いを温かく肯定してくれるところです。雪さんとうららのように、あなたにもきっと「心の縁側」で待ってくれる人がいるはず。その出会いを信じて、一歩踏み出してみませんか?
引用・参考